ここでは、わきが治療の種類について紹介しています。
ワキガ治療と言えば、皮膚を切開し、ニオイの原因となっているアポクリン汗腺などを取り除く剪除法が主流となっていました。
しかし、この方法はメスを使用するため、身体に負担がかかりますし、内出血や壊死などのリスクを伴います。
また、吸引法という最小限の切開で汗腺を吸引する方法、ミラドライ、ボトックス注入など、身体にメスを入れずにワキガを治療する方法もあります。
さらに、近年はウルセラドライという最新治療法も登場し注目を集めています。こちらでは、剪除法、吸引法、ミラドライ、ボトックス、ウルセラドライ、それぞれの治療法のメリットとデメリットについて解説します。
特に最新治療のウルセラドライを重点的に取り上げ、実際にワキガ治療を受けた方の口コミも掲載していきます。
ワキガ治療の詳細について理解し、身体へのダメージ、安全性などを考えながら自分にとって最善の治療法を選択するようにしましょう。
ワキの下を数センチ切開し、皮膚を裏返して、直接、目でアポクリン腺を確認しながら、ひとつひとつ除去していく方法です。
医師が直接、目で確認しながら、臭いの元になっているアポクリン腺を取り除いていくので、効果が高く、再発の可能性が低いといわれています。
多くのクリニックで保険適応となるので、ワキガ治療の中では、費用の安い施術です。施術後は、傷口を圧迫して固定するタイオーバーを施します。2~3日、タイオーバーで固定することで、傷口が塞がります。
高い効果を誇る一方、傷跡が残ったり、切開をすることによって腫れが生じることがあります。
数センチほど切開をするため、傷跡はできてしまいます。ワキの下のしわに沿って切開することで、多少、目立ちにくくはなりますが、医師の技術によっては、傷跡が目立ってしまうことも。
施術後2~3日は、ワキの下をタイオーバーで固定するため、ノースリーブの服などは着ることができません。タイオーバーで固定している間は、基本、安静にする必要があります。
この時期に重いものを持ったり、必要以上に腕を動かしたり、激しい運動をすると、傷跡がきれいにくっつかなかったり、血腫ができてしまうこともあるので注意しましょう。
ワキの下に数ミリの穴を開けて、そこに極細のカニューレを挿入し、アポクリン腺を吸引する方法。
施術時間は30分ほどと短く、メスを使わないので、傷の治りも早く、傷跡も時間が経つにつれて目立たなくなっていきます。
ただし、直接、目で見てアポクリン腺を取り除いているわけではないので、取り残しの多い施術でもあり、現在では、吸引法を行っているクリニックは少ないようです。
切開はしないものの、穴を開けるため、術後1週間程度は軽い固定が必要になります。剪除法と比べてダウンタイムは短いものの、多少の安静期間を要します。
吸引法では、カニューレは極細のものを使用するため、ワキの下に開ける穴はごく小さなものなので、傷跡も時間とともに目立たなくなっていきます。
切開を必要としないので、身体への負担も少なく、ダウンタイムも比較的短いので、日常生活にも支障をきたすことはそれほどありません。そのため、普段の生活を送る上で、周囲の人にバレてしまうということも多くはなさそうです。
ただし、直接、アポクリン腺を目で見て除去するわけでないため、取り残すこともしばしば。軽度のワキガの人、ワキガ治療にあまり時間を割けないという人におすすめです。
ワキの下を1~2センチ程度切開し、そこから特殊な治療機を挿入し、アポクリン汗腺を粉砕し除去する方法です。極細のハンドピースの先にはマイクロチップがついていて、その回転作用によって、アポクリン腺を除去していきます。
剪除法と比べて傷跡が小さいため、身体への負担も少なく回復も早くなります。それでいて、高い効果を発揮するとされている治療法です。アポクリン腺の除去率は80%程度だといわれています。
術後、痛みが出ることもありますが、2~3日で治まります。3日後には包帯による固定は取り外すことができ、1週間後には抜糸ができます。
切開は1~2センチほどなので、ワキの下のしわに沿って切開してあれば、それほど傷跡は目立ちませんが、傷跡は残ります。
術後2~3日は包帯で固定されているので、季節や着るものによっては包帯が見えて、気づかれてしまうこともあるかもしれません。
ダウンタイムは比較的短いのですが、包帯で固定されている間は、多少、動きに制限があります。2週間ほど、内出血が起こる場合がありますが、徐々に治まっていくといわれています。ごくまれに、ワキの下の皮膚が色素沈着を起こすこともあります。
術後1~2週間頃から、ワキの下の皮膚が硬くなってきますが、時間が経つにつれて改善していきます。
ワキの下に小さな穴を開けて、そこから、キューレットと呼ばれる、スプーンのような器具を挿入し、アポクリン腺やエクリン腺、皮脂腺などを掻き出す方法です。
アポクリン腺はもちろん、エクリン腺も一緒に取り除くことができるので、多汗症の治療にも効果があります。ただし、直接、目で見てアポクリン腺を取り除くことができないため、取り除けるのは50%ほどです。
また、小さな穴から手探りで行うため、キューレットを動かしすぎたりすると、神経や血管などを傷つけてしまう可能性もあるといわれています。汗腺のほか皮脂腺も取り除くため、皮膚が薄くなり、色素沈着を起こすことも。
皮下組織掻爬法は、切開が小さいので、傷跡も小さく、切開を必要とする治療の中では、比較的、治療の痕がバレにくい施術だといわれています。
剪除法よりも切開は小さいものの、腫れや痛みが引くのに5~7日ほどかかるため、その間、日常生活の動きに制限が出ることがあります。
神経や血管を傷つけてしまうと、手術後に出血が続いたり、溜まった血を抜く処理をしなければならないこともあるようです。
皮膚がくぼんだり、不自然なしわができたり、皮膚の表面が凸凹になってしまったり、色素沈着を起こす可能性もあるので、そのような場合には、周囲の人に治療がバレてしまうことがあるかもしれません。
皮膚を切開せずに、外側からマイクロ波をあてていきます。皮下2~3mmの層にあるアポクリン腺やエクリン腺を狙ってマイクロ波を照射。マイクロ波のエネルギーは、水分子に吸収されて熱に変わるという性質があるため、汗腺が熱によって破壊されていきます。
マイクロ波は、表皮や真皮を通過すると、皮下脂肪層で抵抗を受けるため、マイクロ波エネルギーは汗腺が多くある真皮層と脂肪層の境目に集中し、汗腺以外への影響は最小限に抑えられると考えられています。
また、冷却システムを搭載しているので、表皮から真皮は熱から守られ、やけどを起こす心配もありません。
皮膚を切らないので傷もできず、傷跡を気にする必要もありません。施術時間も、片側30分程度、両ワキの施術をしても1時間程度と短いので、身体への負担も少なくなります。
術後、少しの腫れが見られることもありますが、目立つ腫れは1週間ほどで治まることがほとんどです。施術当日から、運動や入浴を除いた日常生活を送ることができます。
ダウンタイムが短いので、会社や学校を長く休まずにすみますし、切開を必要とする治療のように、施術後、ワキの下を包帯で固定する必要もないので、周りからも治療をしたことがバレにくい施術法だといえます。
もともとは前立腺がんや顔のたるみの治療などに用いられていたウルセラシステムを、ワキガや多汗症の治療に使用したもの。高度の発汗に対する高密度焦点式超音波治療で、皮膚表面から3~4.5mmの位置にある汗腺の層にフォーカスして、限局的な熱損傷を与えることでアポクリン腺やエクリン腺を破壊し、発汗を抑えます。
照射の範囲を決めた後、痛みの少ない極細の注射針を使って麻酔をし、超音波エコーで肌の断面を確認し、ウルセラを照射していきます。
治療時間は40分程度と短く、高密度の超音波を集中して照射するため、高い効果が得られるといわれています。
切開して汗腺を取り除く治療ではないので、傷跡が残る心配はありません。また、治療時間も短いので体への負担も軽く、ダウンタイムも短いのが特徴です。
施術後、ヒリヒリした感じがしたり、治療部位にむくみが出ることもありますが、当日中もしくは翌日には治まることがほとんどです。激しい運動や入浴などを除けば、施術当日から普段通りの生活を送ることができます。
1回の治療で効果を感じる人も多く、たびたび通院する必要もありません。
包帯による固定などもなく、日常生活の制限もほとんどないので、周囲にバレる可能性は低いといえます。
フラクショナルRF(高周波)を用いた治療法。細い針から出る高周波によって、アポクリン腺やエクリン腺を破壊し、汗を防ぎ、ワキガの臭いを抑えます。
使用するのは、36本の針がついた医療用スタンプ。皮膚表面から1mmほどのところからスタートし、0.5mmごとに深度を変えて、皮膚表面から4mmの場所まで照射していくので、皮膚の深い部分にあるアポクリン腺にもしっかり届きます。
特許技術の冷却装置がついているので、熱から肌を守り、やけどなどを防いでくれます。ワキの下だけでなく、陰部や乳輪、肛門周辺、手のひら、足の裏など、全身どこでも治療が可能です。
ビューホットでは切開をしないので、傷跡が残る心配はなく、施術時間は30分前後と短く、包帯の固定など、術後のケアもほとんど必要としません。
治療直後は、針で刺した部分に発赤や点状のふくらみが出ることがあります。その後、茶色のかさぶたとなりますが、時間とともに薄くなり、消えていきます。
治療当日から、全身のシャワーも可能。通勤や通学もでき、激しいものでなければスポーツもできるなど、日常生活への支障はほとんどありません。
わき毛への影響もほとんどないので、わき毛がなくなったり薄くなったりすることに抵抗のある人でも安心して施術を受けることができます。
ボツリヌス菌から抽出したタンパク質の一種であるボトックスをワキの下に注入することで、エクリン腺の活動を抑え、汗の分泌を抑制する治療法。汗の分泌を抑えることで、臭いを軽減させようとするものです。
ボトックス注射はもともと、顔面神痙攣などの治療に用いられていましたが、表情筋のしわがなくなるということで、美容外科でも使用されるようになりました。
ボトックスを注射することで、末梢神経からの命令が伝わりにくくなり、筋肉や汗腺が働くなるため、しわがなくなったり、汗の量が抑えられます。
汗腺自体を取り除くわけではないので、効果は長続きしませんが、一時的にでも手軽に治療したいという人にはおすすめです。
ワキの下に注射をするだけなので、傷跡が残りません。治療時間は約5分と非常に短いため、身体への負担もなく、ダウンタイムもありません。治療後、腫れや皮下出血が現れる人もいますが、ほとんどの場合、2~4日ほどでなくなっていきます。
施術当日は、洗顔やメイク、スポーツなどの制限もなく、シャワーや入浴、タバコも可能。治療後に通院する必要もありません。
1回の治療による効果は3~4カ月と短めですが、頻繁に通うわけではないので、周囲の人にもバレにくい治療のひとつです。
汗を抑える効果はありますが、アポクリン腺を除去するわけではないので、ワキガの臭いを完全に改善するのは難しいかもしれません。
局所麻酔をした後、わき毛1本1本の毛根に細い電極針を刺し、高周波の電流を流すことで脱毛しながら、アポクリン腺、エクリン腺、皮脂腺を熱破壊します。切る治療ではないので、スソワキガやチチガ、おしりワキガの治療にも用いられています。
針を刺した毛穴の下にあるアポクリン腺やエクリン腺も凝固させるため、汗の量を抑えることができ、臭いも軽減する効果があるとされています。
施術後、3~4日ほどで効果が実感できるようです。ボトックス注射と併用すると、さらに効果が高まるといわれています。
切開を伴わないので、傷跡は残りません。日常生活の制限はなく、施術当日から仕事や通学が可能です。シャワーも当日から浴びることができ、翌日には入浴もできるようになります。
片側40分程度の施術で、麻酔以外の痛みはほとんどありません。治療は1回では終わらず、2~3カ月に1回の通院を2~6回行う必要があります。
まれに、腫れたり、赤みが出たり、やけどが起こる場合もありますが、身体への負担が少なく、12歳から治療可能で、安全性が高い治療法のひとつといわれています。同時に脱毛されるため、わき毛を残したい人にはあまり向いていないかもしれません。
ワキガの臭いなどへの有効成分が含まれた、専用のクリームなどを1日に数回、塗っていく方法です。
ワキガの臭いが気になり、デオドラントスプレーなどを使用している人もいるかもしれませんが、デオドラントスプレーの多くは、ワキガではない人に向けて作られたものなので、ワキガの人が使用しても、ほとんど効果は得られません。そのため、ワキガの人はワキガ専用のものを使う必要があります。
皮膚を切開することもなく、熱を加えることも注射針を刺すこともないため、身体へのダメージはまったくありません。傷跡が残る心配もなく、ダウンタイムもありません。
治療をしたこと自体、バレることはほとんどありませんが、十分な効果が得られるとも言い切れません。軽度のワキガの人にはおすすめですが、中度~重度のワキガの人に対しては、改善するのは難しいようです。